ベンチャー 転職

ベンチャー企業に転職する前に読んでほしい。あなたに会ったベンチャー企業の見つけ方

この記事を書いた人キャリアブック編集長
森田(仮名)

人材系ベンチャー出身。これまでに人事やマーケティング、営業など様々な職種を担当。現在は様々なベンチャー企業でフリーランスとして活動中。これまでの経験の共有とアウトプットの場としてキャリアブックスを運営。

自分にあったベンチャー企業を知る

こんなベンチャー選び方はしない

事業内容の好みだけで決める

事業内容の華やかさや、サービスの好き嫌いなどだけで、転職先を決めないようにしましょう。

ベンチャーにコミットするにあたって、サービスコンセプトへの共感は確かに重要です。しかし事業としてまだ安定していない以上、それはまだ机上の空論でしかないのです。自身がキャリアを通じて達成したいものが、そのサービスを世の中に広めることだけであれば、良いですが、そうではないはずです。

売上を確保できるビジネスモデルがあるか、実現可能なメンバーが揃っているか。組織として会社を成長させるための戦略があるかなど、実際に働くにあたってはリアルな成長戦略の確からしさを比較して決めるべきです。

今の提示年収で決める

2社のベンチャー企業の面接を受けて内定をもらい、条件を提示され、一つは思っていたよりも高く、一つは許容範囲ギリギリだとします。後者の方が事業や組織は良いと思うけど、年収面で前者を選んでしまう。

これは決して間違いではありません(会社のステージによっては正しい)が、よく考えて決めるべきです。なぜなら、ベンチャーに入る以上、その会社がそこから成長することにある程度かけて入社をしているはずだからです。

会社が伸びれば、年収水準は大きく変わりますし、ポジションも上がっていくでしょう。ベンチャーに入ってより大きなものを得たいなら、今の価値ではなく、数年先の未来に得られるもので選んぶことをおすすめします。

ステージごとのベンチャーの特徴

ベンチャーは創業から数百人規模の会社に成長するまでのステージで分けることができ、それぞれのステージごとに年収や働き方、環境が大きく変化します。

シードステージ 社員数 0~10人
資金力 ない
事業状態 サービス構築段階で売上はゼロからほとんど立っていない状態。サービスを軌道に乗せるため、懸命に努力している
アーリーステージ 社員数 10~30人
資金力 余裕はない(調達を実施した場合、一時的にある)
事業状態 会社として主軸に据える事業の売上が立ち始め、今後の成長のために組織を拡大を行うフェーズ。会社によっては更に成長スピードを出すため、このタイミングで追加の資金調達なども実施する。
ミドルステージ 社員数 30~100人
資金力 ある程度ある
事業状態 主力の事業である程度の規模の売上が立っている状態(30人以上の社員の給料を支払える)。オフィスや福利厚生も充実化してきている状態。事業(売上)が伸びているため、毎月新しい仕事が生まれ、人が必要になっていく状態。
レイターステージ 社員数 100人以上
資金力 潤沢にある
事業状態 この規模になるとベンチャー企業としては相当大きな規模。安定した事業を持っており、組織も大きい。その分ミドルステージと比べて、定例業務なども多くなっているが、大手企業や中小企業に比べるとまだまだチャレンジングな仕事は多い。

事業内容や資本戦略により、社員数を増やす時期や、売上の立ち上がる時期は実際には異なりますが、雰囲気としてはこの4段階に大きく分けられます。
シード時期はほとんど創業者しかいないため、友人経由で紹介されない限り、転職の対象にはなりにくいので、一般的な転職チャネルでアクセスできるのはアーリーステージ(の後半)の会社が殆どになります。

自分が重視するもので整理する

年収・待遇

まずは年収や待遇面です。ベンチャーに今の年収を求めて転職する人はほとんどいないと思いますが、実際に、シード~アーリーステージのベンチャーの年収は相当下がります。逆にミドル・レイターステージの企業だと、会社によりますが、ほとんど一般的な水準の年収水準になります。

年収 具体例
シード 低いが、ストックオプションを貰える事が多い。 500万円以下
アーリー 低い。タイミングやポジションによるか、ストックオプションを付与する企業ならもらえることが多い 500万円前後
ミドル 一般的な水準。ストックオプションはなかったり、会っても微々たるもの 400~800万円
レイター 一般的。ストックオプションは例外を除いて殆どない。 400万円〜1000万

※年収は一般的な社員〜マネージャークラスの年収の推移イメージ

仕事・裁量

ベンチャーに転職を考えている人で、仕事に裁量・やりがいがほしいと考えている人は多いと思います。しかしベンチャーの裁量には責任が伴い、正解を教えてくれる人はいません。

裁量を求めるなら、シード期・アーリーステージのベンチャーの方が裁量には恵まれていますが、その分逃げられなさ、責任、プレッシャーも覚悟する必要があります。一丸となって壁を乗り越えるのは事実ですが、それぞれのメンバーの成果に会社の未来がかかっているのも事実です。

仕事内容
シード 一人何役もこなすのが前提。経験のない仕事にチャレンジできるが、業務量・プレッシャーもすごい
アーリー 幅広いことにチャレンジできる。人数も増えているため、シードステージよりは無茶ぶりは少ない
ミドル ある程度業務オペレーションが固まっている。アーリーステージより自由は少なめ。
レイター 組織的に大きくなり、一般的な企業と自由度がさほど変わらないポジションも多数ある。

働き方・環境

シード〜アーリーステージの企業は、実際にハードワークです。ベンチャーがやっていることは新規事業であり、売上は働けばその分上がるものではありません。いつ開通するかわからないトンネルを永遠に堀り続けるのと同じです。だからこその裁量と成長機会、ストックオプションなどのリターンが用意されています。

ミドル〜レイターステージの企業はほとんど一般企業と変わりません。福利厚生やオフィス環境、フレキシブル制度やリモートワークなどはむしろ優れているところも多くあります。そのかわり、裁量やチャンスもさほど一般的な企業と変わらない自由度になってしまいます。

仕事内容
シード 会社は残預金との戦い。かなりのハードワークを覚悟しないといけない(土日も仕事するなど)。オフィスも小さく、福利厚生も殆どない
アーリー 売上も少し目処が立ち、今後の組織カにも備えて少しだけペースが落ちる。
ミドル 売上がみえ、組織を大きくするために働き方や福利厚生が整備される。おしゃれなオフィスになったりする
レイター 福利厚生は充実し、環境もよく、残業がある程度。ベンチャーはフレキシブル制度やリモートワークの制度なども

リスクとリターンのバランス

簡単にまとめると、初期のベンチャーほどリスクや大変なことが多いですが、その分乗り切った後のリターンが大きく、あとになるほど安定性がまし、その分リターンも小さくなるということです。

初めてのベンチャーへの転職の場合、1社だけを見て、その企業が今どのようなバランスなのかを判断することが非常に難しいため、ぜひ何社か選考を受けてみて、色々聞いて見ましょう。

全ては、会社が伸びるか次第

ここまでご説明してきた内容は、あくまで「会社が成長していく」前提です。ただ、ベンチャー企業のすべてがミドルステージに上がれるわけではありません。実際に入るにあたっては「その会社の未来を信じられるかどうか」は重要な要素です。

キャリアプランで整理する

先の話にはなりますが、ベンチャーに入って数年先のキャリアプランを意識することも重要です。
20代から30代でベンチャーに入り、数年したあとのキャリアパスは大きくは次のようなものがあります。下に行くほど難しい選択肢になっています。

  • ポジションアップしながら、ベンチャーを渡り歩く
  • 大企業に入る
  • フリーランスになる
  • 起業する

ポジションアップしながら、ベンチャーを渡り歩く

ベンチャーの仕事は流動的で、勤続年数はそもそも短いため、5年以上同じベンチャーに居続けるのは珍しいことです。そのため、ベンチャーを渡り歩いてより幅広い経験を積みながら、ポジションアップしていくのが、一般的なベンチャーのキャリアです。

注意するべきなのは、長い目で見れば、ポジションを上げる転職(あるいは昇進)をしていかないといけないことです。一般的な企業とちがって社内の出世争いで全てが決まるということはありませんが、社外の人から見ても魅力的な経験を積み、転職市場で競争力を持てなければ、ポジションを上げていくことはできません。

大企業に入る

意外と多いパターンで、特に30代中盤以降、よく選ばれるキャリアパスです。ベンチャーで事業経験をしっかり積んだ経験のある人材を採用したい大企業は多く存在します。

同じ業界のリーディングカンパニーなど、業界を変えずに全く違うプレイヤーとして仕事に取り組む面白さもあり、経験を生かしつつ、年収などをステップアップすることもできます。

フリーランスになる

独立のやりやすさは、職種にもよりますが、ある程度専門的なスキルを身につければ、社員としてではなく、業務委託としてベンチャー数社にコミットするということも可能です。収入は不安定になりますが、時間が自由になるため、キャリアの踊り場として一時的にフリーランスになる人もいます。

起業する

挑戦する気持ちさえあれば、自身の意志次第で起業することも可能です。ベンチャーで仕事をしていると、経営や事業との距離が近くなるため、起業を現実感のあるものと捉えやすくなります。
人数としては少ないですが、ベンチャーで働いていると、同じ会社で働いていた人が起業するということはよくあります。