転職時の手続き

退職前に知っておきたい失業保険マニュアル!手続きや計算方法を解説!

会社を退職してから次の仕事を探すまで、お金がない状態で貯金を切り崩して生活しなければいけない人も多いのではないでしょうか。

そんな失業中に貰える手当が失業保険です。会社を退職する前に準備をしないと「退職後に失業保険を受給できない」「受給日数が減る」など、損をすることがあります。

今回は、そんなトラブルを防ぐために、退職前に知っておきたい必要な知識や失業保険の手続き方法を紹介します。

失業保険とは

失業保険とは「雇用保険の基本手当」のことです。雇用保険は給与天引きなどで保険料を支払う公的保険制度の1つで、その雇用保険の失業手当(正式には基本手当)が失業保険に当たります。

雇用保険の一部の手当として、退職して間もない人に対して、次の仕事が見つかるまで国が手厚く金銭的なサポートをしてくれる制度です。

なお。失業保険の他にも、失業手当や失業給付、求職者給付とも呼ばれます。

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失業保険を受給するための条件

では、雇用保険に加入している全ての人が失業保険を受給できるのでしょうか。実はそうではありません。

以下退職のケースに応じて、特定の条件を満たす必要があります。

  1. 自己都合退職の場合
  2. 会社都合退職の場合
  3. その他の場合

①自己都合退職の場合

能動的に自ら会社を退職した場合は、下記の条件をクリアしていることが受給条件となります。

「正当な理由あり 」の場合

病気や家族の介護、配偶者の転勤同行など、正当な理由で会社を自ら退職した場合は、以下の条件を満たす必要があります。

  • 離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算して6ヵ月以上あること
  • 7日間の待機期間(※1)が満了

※1 離職票をハローワークで提出し求職活動の申込みをしてから、失業保険が支給されるまでに設けられている期間。

「正当な理由なし 」の場合

転職や起業するためなど、自発的な理由で会社を自ら退職した場合は、以下の条件を満たす必要があります。

  • 離職日以前の2年間に、被保険者期間(※2)が通算して12ヵ月以上あること
  • 7日間の待機期間が満了後、3ヶ月の給付制限期間(※3)

※2 被保険者期間とは、雇用保険の被保険者であった期間のうち、退職日から1ヵ月ごとに区切った期間に、給与支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1ヵ月として計算します。

※3 待期期間満了後に設けられた、失業保険の支給までの期間。

②会社都合退職の場合

リストラや会社が倒産した場合など、受動的に会社から退職を余儀なくされた場合は下記の条件をクリアしていることが受給条件となります。

  • 離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算して6ヵ月以上あること
  • 7日間の待機期間が満了

③その他の場合

更新予定のなかった有期の雇用契約の契約満了や定年で退職をした場合、すでに会社と合意の上で退職をした場合などがその他に当たります。

  • 離職日以前の2年間に、被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること
  • 7日間の待機期間が満了

労働時間と雇用期間

就労期間中、1週間の所定労働時間が20時間以上あること、雇用期間が31日以上見込まれていることも受給条件です。また、自己都合退職の場合は会社に1年以上勤めていたことが条件です。

失業保険の受給額の計算方法と受給期間

では、実際に失業保険を受給すると、どれくらいの金額が支給されるのでしょうか。

失業保険の受給額=基本手当日額×所定給付日数

こちらが受給額の計算式です。

基本手当日額とは

基本手当日額とは、1日に支給される受給額のことです。下記の計算式で求められます。

基本手当日額=賃金日額(退職前6ヵ月の賃金合計÷180)×給付率(45~80%)

給付率は高所得の人は低く、低所得の人は高く設定されます。給率率の計算は非常に複雑なため、ハローワークで確認してもらいましょう。

所定給付日数とは

失業保険を受給できる期間(日数)のことです。年齢や労働年数(被保険者期間)、退職理由によって所定給付日数が決まります。

「自己都合退職」や「その他」の場合

被保険者期間
〜1年 1〜5年 5〜10年 10〜20年 20年〜
全年齢共通 90日 120日 150日

※2019年9月30日現在

自己都合の場合は、給付期間が短くなっています。1年以上被保険者期間があると給付期間は90日となります。10年以上だと120日、20年以上だと150日になります。自己都合の場合、年齢で給付期間が変わることはありません。

「会社都合退職」の場合

被保険者期間
〜1年 1〜5年 5〜10年 10〜20年 20年〜
〜30歳
90日
90日 120日 180日
30歳〜35歳 120日(90日)
180日
210日 240日
35歳〜45歳 150日(90日) 240日 270日
45歳〜60歳 180日 240日 270日 330日
60歳〜65歳 150日 180日 210日 240日

※2019年9月30日現在

※()内は、受給資格に係る離職日が平成29年3月31日以前の場合の日数

会社都合の場合は会社側からリストラされたり、退職を勧められたり、倒産して働けない状況になってしまった場合は、給付期間が長くなっています。

被保険者期間が1年未満だと90日で、これはどの年齢にも必ず設ける期間です。それ以上だと年齢や被保険者期間で貰える日数が変わっていきます。

参考:厚生労働省職業安定局

計算シュミレーション

それでは、具体的な条件を元に、失業保険の受給金額を計算してみましょう。

【A子さんのプロフィール】

年齢:32歳

労働期間(被保険者期間):8年

退職理由:退職を勧められた

退職前6ヵ月の賃金:28万円、29万円、27万円、30万円、27万円、28万円

①基本手当日額の計算

(28万+29万+27万+30万+27万+28万)÷180=9388円(賃金日額)

9388円(賃金日額)×62.19%(給付率)=5838円(基本手当日額)

ちなみに、小数点以下は切り捨てで計算します。

②所定給付日数の確認

会社都合退職(退職を勧められた)の表を確認すると、32歳で労働期間(被保険者期間)が8年の場合は、所定給付日数が180日であることが分かります。

③失業保険の受給金額の計算

5838円(基本手当日額)×180日(所定給付日数)=105万840円(受給金額)

以上で計算は完了です。

なお、再就職をした場合は、受給が180日に到達しなくても、再就職時点で受給は終了します。

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失業保険を受給するための手続き

それでは、失業保険を受給するために必要な手続きを紹介します。

在職中に証明書を準備

  • 雇用保険被保険者証
  • 雇用保険被保険者離職票(離職後届く)

会社がハローワークに提出する「離職証明書」は、離職前に本人が記名押印、または署名をすることになっています。離職理由などの記載内容も確認してください。

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受給資格の決定

お住まいの地域管轄のハローワークに行き、「求職の申し込み」を行います。その後、雇用保険被保険者離職票を提出します。

なお、ハローワークには以下の書類を持参しましょう。

  • 雇用保険被保険者離職票
  • 個人番号確認書類(いずれか1種類)
    マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票(住民票記載事項証明書)
  • 身元確認書類((1)のうちいずれか1種類((1)の書類をお持ちでない方は、(2)のうち異なる2種類)
    (1)運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署が発行した身分証明書・資格証明書など
    (2)公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書など
  • 写真(最近の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm)2枚
  • 印鑑
  • 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード(一部指定できない金融機関があります。ゆうちょ銀行は可能。)

雇用保険説明会に参加

指定の日時に雇用保険説明会(雇用保険受給者初回説明会)が開催されるため、出席してください。「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」を受け取ります。

また、この時に「失業認定日」も確認しましょう。

失業の認定

月に1度、失業中であることの認定を行います。

指定日(失業認定日)に管轄のハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況を記入し、「雇用保険受給資格者証」と一緒に提出しましょう。

受給開始

失業認定日から5営業日で、指定した金融機関の口座に失業手当が振り込まれます。

参考:厚生労働省職業安定局丨雇用保険手続きのご案内

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まとめ

いかがでしたでしょうか。失業保険(失業手当)に関する基本知識や、受給の条件・期間について説明をしました。

知らないと失業手当の受給が遅れたり、損する可能性が高いため、しっかりと転職・退職前に事前にチェックしましょう。

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