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真摯(しんし)の意味と正しい使い方とは? 英語例文や誤用・類語を紹介!

しんし

「真摯」とは、「真面目で熱心なこと」・「真面目で熱心なさま」という意味です。

この2つの意味のうち、前者は「自分の気持ち・心構えを相手に伝える」場合に、一方後者は「相手の行動・言動に対しての自分からの気持ちを伝える」場合に使用します。

それぞれどういうことでしょうか。具体的に見てみましょう。

真摯の意味・使い方

【読み】しんし

【意味】

  • 真面目で熱心なこと。
  • 真面目で熱心なさま。

意味① 真面目で熱心なこと

序文で示した「自分の気持ち・心構えを相手に伝える」場合、簡単に言えば自分の気持ちをアピールしたいときに「真摯」という言葉を用いる場合の例文です。

例文

  • 顧客からの苦情を真摯に受け止める。
  • 上司からの苦言を真摯に反省した。
  • お客様からの要望に対し、真摯に対応した。
  • 明日の社内行事は、真摯に取り組む。

「自分がいかに物事に対して真面目に対応するか、またはしたか」という「気持ち・覚悟」の表れとして「真摯」という言葉が使われています。

意味② 真面目で熱心なさま

次に、「相手の行動・言動に対しての自分からの気持ちを伝える」という場合の例文を見てみましょう。

例文

  • 彼は真摯に仕事に取り組んでいる。
  • この画伯の芸術に関する真摯さには、いつも圧倒される。
  • 私は彼女ほどこのプロジェクトに真摯には取り組めない。
  • 叔父は何事にも真摯に取り組んだからこそ、成功を収めたのだ。

この例文では、自分の気持ちを他人に伝えています。つまり、他人を評価する場合に「真摯」という言葉が使われることが分かります。その多くの場合は好意的な評価の場合に使われており、ネガティブな表現で使われる言葉ではありません。

「真摯」という言葉は「真面目」に置き換えられるか

意味②の例文を見て「真摯」という言葉は「真面目」という言葉に置き換えられるのでは?と思った方も多いでしょう。

では、実際に置き換えてみましょう。

例文

  • 彼は真面目に仕事に取り組んでいる。
  • この画伯の芸術に関する真面目さには、いつも圧倒される。
  • 私は彼女ほどこのプロジェクトに真面目には取り組めない。
  • 叔父は何事にも真面目に取り組んだからこそ、成功を収めたのだ。

どうでしょう。

文章としては違和感はありませんが、「相手に対する敬意」という意味では「真摯」のほうがしっくりきます。

以上のことから「真摯」という言葉の重みがよく理解できます。

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「真」と「摯」の漢字の意味

「真摯」という言葉を構成する「真」と「摯」には、それぞれどういう意味があるのでしょうか。それぞれ漢字の意味を調べてみました。

  • 「真」とは、まじめな、という意味。
  • 「摯」とは、まじめなこと、という意味。
  • 「真」とは、うそ・いつわりがない、という意味。
  • 「摯」とは、神への供え物、あるいは贈り物、という意味。

「真」とは、まじめな、という意味

「真」という漢字には、「真面目な」という意味があります。

「真剣」という言葉に象徴されるように、そもそも真面目の「真」でもあります。

「真になって話を聞く」という表現もあります。これは「真面目に相談に乗る」という意味です。

「摯」とは、まじめなこと、という意味

「摯」という漢字にも、「真面目な」という意味があります。

普段、「真摯」という言葉以外で「摯」という漢字を目にすることはありませんが、意味を調べると色々な意味があります。

以上のことから、「真摯」という言葉は、「真面目な」という意味の漢字を二つ重ねた単語であるということが分かります。

「真摯」という言葉の重さは、ここが源となっているのです。

つまり、意味①で考察した「真面目で熱心なこと」を他人にアピールするには、うってつけの言葉であるのです。  

「真」とは、うそ・いつわりがない、という意味

もう一つ、「真」という漢字が持つ意味について調べました。

真実・真理・正真など、うそ・いつわりがないという意味の単語に「真」という文字が広く使われています。これはそのままずばり、「真」という漢字がそのような意味を持っているからに他なりません。

「摯」とは、供え物、または贈り物、という意味

「摯」という漢字には「(神への)供え物、または贈り物」という意味もあります。

「真」の持つ「うそ・いつわりがない」という意味と重ね合わせると、「真摯」とは「うそ・いつわりのないものを供える・贈る」と解釈できます。

このことは意味②の真面目で熱心なさまから「真摯」と「真面目」は置き換えられるかで考察した相手へのリスペクトを含む、という源は、ここにありました。

真摯と真剣はどんな違いあるの?

真摯と似た言葉として「真剣」があります。

しかし、真剣の元々の意味は「本当の刀」ということです。

つまり、本当の刀で斬り合いをするくらい、緊張感を持ってことに当たる様を「真剣」と表現しているのであって、「真摯」とは意味合いが違うのです。

その時々に合わせた「真摯」と「真剣」の使い方に気を付けましょう。

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真摯の類義語・対義語

真摯の類義語・対義語 

では、真摯と同じ意味を持つ類義語、また反対の意味をしめす対義語はどういうものがあるのでしょうか?

類義語・対義語それぞれ3つ、挙げてみます。

まず、類義語としては

  • 誠実
  • 篤実
  • 忠実

以上です。次に対義語としては

  • 不誠実
  • 軽薄
  • 怠惰

などがあります。

それぞれの類語・対義語を例文を使用して紹介します。

類語①「誠実」

誠実とは「私利私欲なく、物事や人にあたるさま」という意味です。主に他人の人柄を評する場合に使用しますが、自分の性格をアピールする際に用いることもあります。

  • 彼女はいつも誠実に仕事に取り組んでくれている。
  • クレームを入れたが、相手担当者が誠実に対応してくれたので、穏便に解決した。
  • 彼の日頃の言動は、誠実さを欠く。

類語②「篤実」

篤実(とくじつ)とは「誠実で情が深い」という意味です。「温厚篤実」という四字熟語として使用するほうが一般的です。これも主に他人の人柄について語る場合に使います。

  • 私たちの恩師は、温厚篤実な男性だ。
  • 温厚篤実な上司も、さすがに今回の件は許さなかった。
  • 彼女を育てたご両親は、さぞ温厚篤実な方達だと思われる。

類語③「忠実」

忠実とは「まごごろを込めてものごとにあたる人、またはそのさま」という意味です。この言葉も自分から相手に発するものというよりも、やはり主に他人を評するときに使用します。
 
  • 彼が忠実に業務に励んだお陰で、問題が解決した。
  • 忠実に職務に勤しむ彼女は、職員の手本となる人だ。
  • 私たちがもっと忠実に仕事をしていたら、こんなミスは犯さなかったはずだ。

対義語①「不誠実」

不誠実とは、そのものずばり「誠実ではない人、またはそのさま」ということです。つまり私利私欲に駆られ、物事や人に対して計算高く、または打算的に対応することを指します。

  • 彼は仕事に対してあまりにも不誠実で、一向に効率が上がらない。
  • 取引先に苦情を入れたが、担当者の不誠実な対応には閉口した。
  • 不誠実な駅員の対応に、旅の楽しさが半減してしまった。

対義語②「軽薄」

軽薄とは「言葉や行動が軽々しくて、深慮深さや誠実さが感じられない人、またはそのさま」という意味です。

「軽い」に「薄い」という漢字の組み合わせからも、この言葉のイメージが浮かんできます。

  • 彼はすぐ流行りを取り入れたがる軽薄な男だ。
  • 軽薄な彼女の発言に、思わず耳を疑った。
  • 全員で議論している場で、あの発言は軽薄過ぎた。

対義語③「怠惰」

怠惰(たいだ)とは「なまけていてだらしのないこと」という意味です。怠惰の「怠」という漢字はずばりなまけるという意味ですし、「惰」という漢字は「惰性」などどいう単語にしようされます。惰性とは「これまでの習慣やならわし」という意味です。つまり、一切の変化がないことを表しています。

  • 彼の勤務態度はあまりに怠惰すぎる。
  • 彼女の授業中の怠惰な態度が、他の生徒にも伝播した。
  • 取引先に注意を促したが、対応が怠惰過ぎたので契約を打ち切った

真摯の英語表現

真摯の英語表現

真摯を英訳すると、sincerityという単語になります。また、「真摯な」という動詞は、sincereと表現されます。

  • He’s working sincerely. (彼は真摯に仕事に取り組んでいる)
  • His sincere attitudes are all student’s examples. (真摯な彼の態度は、全生徒の手本だ)
  • I listen to an opinion from a customer sincerely. (お客様からの意見に真摯に耳を傾ける)
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まとめ

真摯という言葉はよく耳にしますが、いざ使うとなると注意が必要ということがわかりました。類義語が多く、それらの言葉で代用できそうですが、「真摯」という言葉は一般的な言葉よりももう1ランク上の言葉と理解すれば、使用する機会を間違えることはありません。

真摯という評価を他者からしていただけるということは、最高の誉め言葉なのです。