会社・仕事を辞める理由は人によってさまざまです。ただ、一度辞めたいと思えばそれは根深く心に住み続けるのではないでしょうか。辞めることは悪いことではありません。円満な退職を目指せば良いだけです。
今回の記事では、会社を辞める理由と、円満退社をする方法について解説します。無理に今の会社・仕事を続けている人は、ぜひ参考にしてください。
会社・仕事を辞めることは悪くない
会社・仕事を辞めることに対し悪だと思うのは間違いです。法律上も退職届を出せば2週間で退職できると、うたわれています。もちろん円満に退職するためには、勤めている会社の就業規則に従うのが大切ですが、上司にとめる権利はありません。すべてはあなたの自由です。
大切なのは、収入を絶やさないこと、家族がいるならば生活を守ること、これらが可能ならば、無理して嫌な仕事を続ける意味はありません。
会社・仕事を辞めたい気持ちを我慢することにメリットはない
会社や仕事を辞めたいという気持ちが本物ならば、続けることにメリットは一つもありません。嫌な仕事を続けることでストレスをため、心身ともに悪くする結果となるだけでしょう。心と体を壊してからでは、次の仕事を探すのが難しくなります。転職や再スタートは、健康なうちにする方が成功するはずです。
会社を辞めたいという人の中には、とりあえず辞めたいという「かまってちゃん」もいます。周囲に「辞められたら困るよ」などの声をかけてもらうことに優越感を感じる人です。
本気で辞めたい人は簡単に周囲に話しません。それが本当に辞めたいと考えている人です。
もし、本当に辞めたいと思い悩んでいるのならば、今の会社を続けることにメリットはありません。会社を辞めることは法を犯すような罪ではないのです。心を壊し、危険な考えをする前に、辞めるという行動を起こしましょう。
本当に悪いことは愚痴ばかりで行動をしないこと
本当に悪いことは、会社の愚痴ばかりこぼし、辞めるという行動を起こさない人です。次のような弱気な気持ちでいると、辞めたくとも仕事を辞められなくなります。
- 会社へ辞めると告げる勇気がない
- 辞めると告げたが上司に怒られた
- 今辞めたら同僚が困る
- 辞めたら転職できるか不安な気持ちでいっぱい
- 新しい職場で一からやりなすことを考えると面倒と思う
- 家族を説得できるか不安
これらの弱気な思いが、行動を起こさない原因です。辞めたいという気持ちがあるのに、一歩踏み出す勇気がない人が、なにかしらの言い訳をする内容と言ってもいいでしょう。
何度も言いますが辞めることは悪ではありません。辞めたいことを我慢し、無理やり理由をつけ行動を起こさない人が一番の悪です。本気で辞めたいのならば、勇気ある行動を起こしましょう。会社を本気で辞めたいと心から思っている人は、あなただけではありません。
男女別の退職理由ランキング
会社を辞めた人たちはどのような理由で辞めているのでしょうか?厚生労働省が発表した次の資料で確認してみましょう。
平成 30 年 1 年間の離職率を離職理由別にみると、「個人的理由」(「結婚」「出産・育児」「介護・看護」及び「その他の個人的理由」の合計)によるものは 10.4%で、前年と比べると、0.7 ポイント低下し、「事業所側の理由」(「経営上の都合」「出向」及び「出向元への復帰」の合計)によるものは 1.0%で、0.2 ポイント上昇した。
男女別にみると、「個人的理由」によるものは、男性は 8.2%、女性は 13.1%で、前年と比べると男女ともに 0.7 ポイント低下し、「事業所側の理由」によるものは、男性は 1.3%、女性は 0.6%で、前年と比べると男性は 0.2 ポイント、女性は 0.1 ポイント上昇した。
男性の退職理由ランキング
1位:給料等収入が少なかった
やはり男性の退職理由第1位は、金銭面でした。自分のやりたいことを仕事にしていない人は、「仕事のやりがい=お金」の図式が当てはまります。人生で自分がやりたいことを仕事にできる人は一握りの人たち、自分の対価に見合った収入が頂けないのならば、退職したいと考えるのも仕方ありません。
2位:労働条件が悪かった
働き方改革の恩恵を受けている人はいるのだろうか?このように感じる人も少なくありません。企業によっては、社内の雰囲気がいまだに定時に仕事を終えることを、悪のように感じさせる空気感が今でもあります。「会社に勤め始めたら自分だけ昔の友人と会う時間がなくなった」このような不満を持つ男性も少なくありません。
3位:職場の人間関係
職場の人間関係が与えるストレスは、疲れを何倍にもします。いじめのような精神的パワハラは、なくなってはいません。見えないパワハラに苦しみます。
また、先輩の仕事に対する姿勢がいやになる人もいるようです。不真面目な先輩の態度を見ていると、仕事をするのが馬鹿らしくなり辞めたくなるのも人間関係が悪いと言えます。
4位:会社の将来に不安
会社の将来性のなさを入社してから感じる男性も少なくありません。やる気がない職場を目の当たりにしたり、経営状態の悪化を見ると、将来の不安を感じます。自分の居場所はここではないと、誰もが思うはずです。その結果、沈む船に一緒に乗る必要はないと考え、退職を決意します。
5位:能力・個性・資格を活かせなかった
自分が思い描いていた状況と違う仕事内容、これでは自分を活かせないと考え、辞める男性も多いようです。1日の中で寝ている時間を除くと、仕事に費やす時間は大半を占めます。能力・個性・資格を生かせない状況は、やりがいを感じません。その状況は1日を無駄遣いしているよう、辞めたいと考えるのもうなずけます
女性の退職理由ランキング
1位:労働条件が悪かった
女性の第1位は労働条件が悪かったでした。やはりプライベート時間の充実は女性にとって貴重です。何時に帰れるかわからないような状況は、予定を立てづらく自己啓発に充てる時間がなくなります。
長時間労働により体調面に変化が出始めてから、辞めることを考えだす人もいるようです。
2位:職場の人間関係
女性が多い職場だの人間関係は、男性以上に恐ろしい結果を生むことがあります。裏でコソコソ陰口を言う、あからさまにランチや飲み会に誘われない、このようなドロドロした人間関係が、構築されることも多々あるようです。どちらの派閥に入ればいいかで悩むのが、ばからしくなったと話す人もいました。
3位:給料等収入が少なかった
やはり給料の金額は大切です。女性は男性以上に日用品のお金がかかります。趣味やプライベートを充実させるためには、収入面の確保は不可欠です。今の給料のままではブランド物が買えないと思い、辞めることを決意する人も少なくありません。
4位:仕事の内容に興味が持てなかった
雑用を押し付けられコピーをする毎日に、仕事への興味をそがれてしまう人もいます。職場にいると時間が過ぎるのが遅い、まだ仕事が始まって30分した経っていないなど、時間のことばかり気にする人もいます。仕事に興味が持てなければ刺激もなくなり、辞めると考えるのが必然です。
5位:能力・個性・資格を活かせなかった
自分のやりたい業務と違う部署に回されることも多々あります。私は資格を持っているから庶務ではなく、現場がやりたいと思っても、会社側が認めない状況です。自分を活かせない状況に嫌気がさし、違う世界を求めるために辞めると決断する思いも理解できます。
会社・仕事を辞める理由20選と例文
会社・仕事を辞める理由は人それぞれです。また、理由が1つとは限りません。複数の理由が重なることで、辞めると決断する人もいます。
まずは、会社・仕事を辞める正直な理由20選を紹介します。
お金に起因 | ①基本給が安い ②給料が減額された ③残業手当やボーナスがでない ④交通費が全額支給されない |
人間関係に起因 | ⑤先輩や上司の仕事に対する姿勢が納得いかない ⑥ハラスメント行為やいじめがある ⑦後輩の態度に腹が立つ |
仕事内容に起因 | ⑧押し売りのような営業スタイル ⑨責任ある仕事からの重圧 ⑩不得意や興味のない仕事内容 ⑪希望の勤務地と異なる |
労働時間に起因 | ⑫残業が当たり前の空気感 ⑬有給どころか休みすらもらえない ⑭家に帰れることが少ない |
社風に起因 | ⑮会社行事の強制参加 ⑯出世は年功序列 ⑰飲み会等での一芸を強要 ⑱将来性に不安 |
評価に起因 | ⑲自分よりも仕事をしていない人の評価が高い ⑳男性上司が女性の外見を評価に入れている |
ただ、会社を辞める時にこれらの本心をぶつけても、うまくはいきません。社会人ならば本音と建前を使い分ける必要があります。
辞める本当の理由に多いのは、会社への不満です。しかし、本当の理由を言えば引き止められる可能性も高まるでしょう。辞めるときめたらグダグダしたくないはずです。
そのためにも次の例文を参考にし、引き止めにくい理由を考えてください。
違う分野に挑戦したい
もともと目指していた職業に就きたかったが、就職活動がうまくいかず現在に至る人もいるはずです。
「以前から、現在の仕事とは違う分野に興味があり、挑戦してみたいみたい気持ちを抱いていました。
今の仕事にもやりがいを感じていますが、〇〇への挑戦はできません。そんな中、日に日に思いは強くなり、抑えきれなくなりました。
自分をよく見直し考えた結果、今が挑戦するチャンス、この機を逃したくはありません。」
後は「誠に勝手ながら〇月に退職したい」旨を続けるだけです。今の仕事もやりがいがあるが、新たな分野に挑戦をしたいという熱意も伝わるので、失礼にあたりません。
体調不良を伝える
悪い職場環境で体調を悪化させている人には、この理由がおすすめです。もし診断書があればスムーズな退職ができることでしょう。
「以前より体調が優れない日が続いています。今の状態では、急きょ仕事を休むことも考えられ、周囲に迷惑をかけることもあるのではと心苦しい状況です。
このままでは、改善が見込めないことから、大変申し訳ございませんが退職をさせていただきたいと思っています。」
もしかすると、いったん病休を提案されるかもしれませんが、退職の意思が固いのならば、その思いを伝えましょう。病気となれば、無理強いをすることもありません。
家庭の事情
家庭の事情ならば上司も納得するはずですが、家族の病気などの嘘はいけません。
「家族が高齢となり、家業を継ぐことに決めました。大変申し訳ありませんが、〇月で退職をしたいと思っています。」
このような場合は、上司に家庭の事情を詳しく説明すれば、引き止められることもないでしょう。
結婚
女性ならば、寿退社も理由の一つです。上司も夫婦で決めたとなれば、引き止めることは難しいと判断することでしょう。
「この度、〇月に結婚することとなりました。
会社を続けるか迷いましたが、夫婦で話し合った結果、家庭に入ることを決めました。大変申し訳ありませんが、〇月で退職をしたいと思っています。」
もしかすると、時短での仕事をすすめられるかもしれませんが、断っても問題はありません。
円満退社に必要な6つのコツ
円満退社をしたいと望む人は、次のコツを利用してください。退職は、慎重に進めることが大切です。
①転職活動は知られないようにする
次の職場を決めてから辞めたいと思う人は少なくありません。そうなると在職中から転職活動をはじめますが、この動きを周囲に知られないように細心の注意をはらってください。
転職活動がバレると、職場の雰囲気が悪くなり、とても円満に退退社できる空気感ではなくなります。
②退職の意思は2カ月前に伝える
退職の意思を2カ月前に伝えると、会社へも余裕が生まれます。先ほど2週間前でも大丈夫と説明しましたが、それは法律上の問題であって、会社側の苦労を考慮していない考えです。円満とは、双方が歩みよることで成り立ちます。最低でも就業規則を守り、余裕をもって伝える配慮をしましょう。
③後輩の育成をしておく
人材の育成をしておけば、会社側も助かります。自分がいなくなっても後を任せる人材がいることを説明しましょう。
④繁忙期は避ける
長く勤めていたのならば、会社の繁忙期は知っているはずです。その期間にわざわざ辞める行為は、会社側だけでなく、周囲の同僚からも不満を持たれることでしょう。円満に退職するためには、繁忙期はぜったに避けましょう。
⑤辞めることは直属の上司に最初に伝える
辞めることを最初に伝えるのは、必ず直属の上司です。それが社会人として退職する人の暗黙のルールとなっています。ほかの人から辞めることを聞いたら、上司はどう思うでしょうか。上司に伝えたときに「もう知ってるよ」と言われると気まずくなります。円満退社には程遠い状況となることでしょう。
⑥業務の引継ぎは丁寧に
業務の引継ぎは丁寧に計画性を持って行うようにしましょう。これは、上司に2カ月前に辞めるとを伝えることで実現します。上司も早めに後任を決めてくれるはずなので、その人へしっかりと引継ぎを行ってください。
立つ鳥跡を濁さずという言葉もあります。引継ぎは最後の大仕事ととらえ、確実にこなしましょう。
退職時の注意点
次に退職時の注意点について解説します。退職時にやらなければいけない手続きもあるので、注意するようにしましょう。
退職届と退職願の違いを知っておこう
退職届と退職願の違いを悩む人もいるはずです。書く前に違いを知っておきましょう。
退職願は、退職をお願いする書類であるため会社側から却下されることもあります。会社からの留意で撤回をすることも可能です。
退職届は、自分の退職する意思を通告するためのものです。退職届が一度受理されれば、自分の意思では撤回がするこのできない書類とななります。
つまり、退職届の方が意思が強いことになるのです。
会社と条件交渉をしたいと考えるのならば退職願を利用しますが、退職の意思が固く決意が変わらないのならば退職届を利用しましょう。
ただ、どのような状況でも、まずは話し合うことが必要です。いきなり退職届を上司の机に置いておくようなドラマは、現実にはあり得ません。
失業保険の申請
転職先が決まっていない場合、次の受給条件を満たしていることで失業保険の給付金を受けることができます。
「自己都合による退職」
- 離職日以前の2年間で、被保険者期間が1年以上あること
- 待機期間の7日間満了後、給付制限期間である3カ月(条件により期間は異なる)があること
「会社都合による退職」
- 離職日以前の1年間で、被保険者期間が6カ月以上あること
- 待機期間の7日間満了後、直ちに基本手当の支給が開始される
転職に対し積極性が必要ですが、条件を満たしていれば、当面の生活費に充てることもできます。忘れずに申請を行いましょう。
健康保険と年金の手続き
退職をすると、勤務先で加入していた健康保険の被保険者資格を失います。もし転職先が決まっており、即日に加入できるのならば、悩む必要もありません。しかし、転職先が未定や自営業になる、または次の転職までに空白期間がある場合は、次の3つの選択肢から選んでください
- 国民健康保険に加入する(14日以内)
- 任意継続制度を利用する(20日以内)
- 家族の扶養に入る(速やかに)
手続きの期間も決まっているので、在職中から後のことを考えておきましょう。
また、次の職場が決まっていない場合は国民年金への切り替え手続きが14日以内に必要です。家族の扶養に入れば手続きは不要ですが、期間が短いので早めに行動をおこしましょう。
保険料の支払いと国民年金の加入は国民の義務です。病院に行かないから大丈夫というわけにはいきません。忘れずに手続きを行ってください。
https://career-books.com/required_process-qualificationforhealthinsurance/
転職エージェントを活用しよう
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まとめ
会社・仕事を辞めることは悪くありません。辞めたいと思い、実行している人がたくさんいます。居たくもない会社に居続けることのほうが、自分にとって悪いことです。大切なのは辞め方、新たな門出を祝ってもらいえるような円満退社を目指してください。
ただ、次の収入がなくなるような行動は慎んでください。できるのならば、在職中に次の転職先を決めておきましょう。