秀逸の意味・使い方
【読み】しゅういつ
【意味】
- 他のものに比べてぬきんでてすぐれていること、さま
- 出来ばえが他のものより一段とすぐれていること、さま
- 他のものとの比較において圧倒的な素晴らしさがあること
- ※元々は、歌や句を評する際の最も高い評価に対して使っていた
「この和歌は秀逸です」など、誉め言葉として使う、格式のある表現です。
前述のように、単に「素晴らしく良い」というだけでなく、
「他と比較して素晴らしい」という場合に使います。
古風な誉め言葉を使うことが出来れば、
格式のあるTPOにおいてでも一目置かれるようになるかもしれません。
この記事では、「秀逸」の意味や使い方、
そして「秀逸」の類義語・対義語を紹介いたします。
例文
- 秀逸を極める
- 秀逸な作品
- 日本のトイレのデザインは秀逸だ
- 作品としては秀逸ではないが、彼の性質や嗜好を窺い知ることができる。
「今回入選した彼の風景画は、流石に他の作品より秀逸だ」
という比較では用いますが、
「彼は文武両道だが、体を使う方が秀逸だ」という様に、
他の分野との比較では使いません。
「秀」は、「世間から外れるほど秀ででいる」といった意味です。
「逸」は、「兎(うさぎ)が逃げる様子」示し、
「逃げる兎」には、「枠の外に出るほど、とても速い」が元の意味でした。
これらから転じて、
「枠の外に出るほど優れている」という意味で用いられるようになりました。
秀逸と秀抜はどんな違いあるの?
「秀逸」に似た言葉に「秀抜」があります。
どちらも、
「他よりぬきんでてすぐれていること。また、そのさま。」を表します。
但し、褒める対象、つまり修飾することばとして、
「秀逸」が 「作品」「能力」どちらにも使える一方、
「秀抜」は 「人の才知、才能」などを修飾する際に限って使います。
従って、
「秀逸な作品」を「秀抜な作品」とは言い換えられないものの、
「秀抜な画才を持った出品者だ」という使い方に用いられます。
秀逸の類義語・対義語
作品や才能が、他と比べて並外れてい優れていることを示す「秀逸」。
類義語や対義語としては次のような言葉があります。
それぞれの類語を例文を使用して紹介します。
類語①「傑出」
「傑出(けっしゅつ)」は、もともと「傑出する」という動詞から形容動詞になり、
「多くのものの中で優れていること」という意味を示しています。
「傑出」の由来は、「傑」に人偏が付く前の元の文字にあった
「高い所にはり付けられた様子」と、
「出」という字の「目立つ」という意味から、
「飛びぬけて優れ、目立っている」という意味をもちました。
- 新しく擁立された候補者は、傑出した人物と評判が高い。
- 傑出した力量で、勝ち抜き戦を進んでいった。
- その時代の美術界において、傑出した作品を遺した。
類語②「出色」
「出色(しゅっしょく)」は、他より目立ってすぐれていることを指す形容動詞です。
秀逸や秀抜、傑出に比べると、若干カジュアルなニュアンスを含んでおり、「あっぱれ」「異彩をもった」という表現に近い感覚があります。
- 新しく擁立された候補者は、出色の人物といわれている。
- 出色の力量によって、優位に勝ち進んだ。
- その時代の美術界において、出色の作品を遺した。
類語③「屈指」
「屈指(くっし)」は、多くの中で、特に数え上げるに値するほどすぐれていること 又はさまを示す形容動詞です。
「指折り数えるほどの」という意味から、「飛びぬけてはいるものの、近いレベルの人・モノも若干いる」というニュアンスを持つこともあります。
- 新しく擁立された候補者は、屈指の推進力を持つといわれている。
- 屈指の強豪校は、勝ち抜き戦を進んでいった。
- その時代においては屈指といえる作品を遺した。
類語④ 非凡
「非凡(ひぼん)」は、「一般の人よりずっと優れている」
という意味があります。
「秀逸」が「創作物」を対象とした使い方がメインであるのに対し、
「非凡」は「非凡の才能」のように、
「能力」を対象に使われるケースが多い言葉です。
また、団体のような「複数形」を修飾するにはあまり適しておりません。
- 新しく擁立された候補者は、非凡の才能を発揮させてきた。
- 屈指の強豪校には、非凡なバッターが居る。
- その時代においては非凡な芸術家として知られていた。
対義語①「劣等」
という意味です。
代表的な使い方は 「劣等感を抱く、持つ」 という表現でしょう。
「秀逸な作品」 が
他者のものだった場合に抱く、感情表現といえるでしょう。
- ライバルの作品が秀逸であったのを見て、劣等感を抱えてしまった。
- 優等生であった父に比べ、その村一番の劣等生であった。
- 劣等感を払拭すれば、前向きになれると思う。
対義語②「稚拙」
- 入選した絵が秀逸であっただけに、自分の作品の稚拙さが目立つようであった。
- 彼が提出したレポートは、文章があまりにも稚拙で、採点されるレベルではなかった
- 「アメリカ人のジョークはつまらない」なんて言っている日本人自体が、その稚拙な英語力でジョークを判っていないだけであろう。
対義語 ③ 「平凡」
「劣等」や「稚拙」とは違って、否定的なニュアンスはありません。
しかし、「秀逸」や「劣ったものとの対比」というよりも
むしろ「平均的なもの」との対比であり、「非凡」の意味合いを持っている、
ということから、平凡なこと自体が対義語になりうると言えるでしょう。
- 秀逸した才能を持つよりも、むしろ平凡な暮らしがしたい。
- 平凡な人生を送るのも、また趣きがある。
- 彼は、語学では傑出した才能の持ち主だが、営業成績は平凡であった。
秀逸の英語表現
という主旨を表現することは多くはないものの、
Excellent(優秀な) やsuperb(他を圧するほどすばらしい)、或いは supreme(最高位の)
が相当するでしょう。
例文①:excellent
He is excellent in scholarship
彼は学業が大変優秀である。
例文②:superb
The music they played was superb.
彼らの演奏は最高だった。
例文③:supreme
Art is the supreme human activity.
芸術は人類による至上の行いです。
まとめ
「秀逸」とは、
「他のものよりぬきんでてすぐれていること。また、そのさま。」
を意味する言葉です。
類義語には、「傑出」「出色」「屈指」「非凡」などがあり、
対義語には「劣等」「稚拙」「平凡」などがあります。
英語では、excellent、superb、supreme などで表現します。
「秀逸」の注意点は、 「人物」には使えないところですが、
「作品」や「能力」を対象に使用した褒め言葉として「秀逸」な言葉ですので、
うまく使っていけるといいですね。