邁進の意味・使い方
【読み】 まいしん
【意味】
- 何事をも恐れることなく、迷いなく、ひるむことなく
「邁進」は、元気よく恐れることなく前向きに進んでゆくという意味でビジネスシーンやフォーマルな場面でのスピーチや挨拶など使われることの多い言葉です。
「みなさまのご期待に添えるよう邁進して参ります」というのは、常套句と呼んでも良いでしょう。
そこでこの記事では、「邁進」の正しい意味と語源、さらには例文を通した使い方を解説していきます。
①元気よく、まっしぐらに
元気よく、そして脇目も振らずに真っすぐに進む様子を意味します。
目的や目標に向かう態度を、肯定的な意味合いで表現する場合に使われます。
例文
- ひたすら目的に向かって邁進します。
- 球児たちは、次の試合に向かって邁進した。
- 父母の希望に添いながら、自分の目標に向かって邁進する。
- 上司が温かく見守ったことにより、部下たちは安心して業務に邁進することができた。
②何事をも恐れることなく、迷いなく、ひるむことなく
不安があるながらも、それを打ち消すくらいに前向きな気持ちで突き進んでいく様子を意味します。
この場合も、目的や目標に向かう場面で使われることが多くあります。
例文
- 今後も皆様のご期待に添えるよう邁進して参ります。
- 彼女は何にも動揺せずに、夢に向かって邁進していた。
- 両国関係は障害があるにもかかわらず、新たな段階へと邁進し続けている。
- 今後はこうした不手際がないよう、お客様へのサービスの改善に邁進して参ります。
③他を追い抜き先に立ち、進むこと
「邁進いたします」という宣言に気負いが含まれることもあり、この言葉が出てくれば自信があることを示す場合もあります。
そこから、ライバルが居れば追い抜いてゆくという意味にも使われます。
例文
- 記録達成に向かって、邁進する。
- 名選手のポジションを奪うべく、若手は邁進した。
- 志望校合格の難関を突破するため、受験生は邁進していた。
- 経済力にものをいわせ、軍拡の道に向かって邁進する国を、冷ややかに見ていた。
「邁進」という言葉は、ビジネスシーンや新年の挨拶などで使われることも多く、
前向きに取り組んでいく旨の意思表明の言葉です。
物事の節目などで挨拶を求められた際に、活用するとよいでしょう。
邁進が使われる熟語
「邁」の元の意味は「ゆく、進む」であり、「進み」と同じ意味が重なったことによって
「進む」の意味を強調しています。
傲慢に突き進む様子ではなく、一生懸命に目的に向かって励んでいる様子を意味しています。
- 勇往邁進
- 邁進一筋
- 一路邁進
勇往邁進の意味
勇往とは、「勇んで前に進む」という意味を持ちます。
つまり、「邁進」だけであっても「強く前進する」の意味を持つところへ
更に「勇んで」と強調された言葉です。
邁進一筋の意味
一筋とは、一途に一つのことを思いつめるという意味であり、融通のきかない行動の意味をも含みます。
従って、職場のスピーチなどでは、「邁進するしかない」など、思いを一途に相手に伝える場合に限って使うのが無難でしょう。
一路邁進の意味
一路の意味は「ひとすじに続く道」なので「一筋」に似ているようにも見えますが、
「融通が利かない」ではなく「新しい道を自ら開拓」というニュアンスがあります。一定の責任を伴うような印象を与える言葉です。
邁進と精進はどんな違いあるの?
「邁進します」「精進します」と、どちらもビジネスシーンにおいて使われます。
邁進は「強く突き進んでゆく」という意味が強いのに対し、精進は「同じ過ちを犯さないように、精神を集中させる」ということに重点をおく意味合いです。
「精進」は元々、仏道での修行を指す言葉だったことから、こうした意味合いに使われています。
邁進の類義語
「前に向かって力強く突き進んでゆく」という意味の「邁進」、難しい言葉を使わなくても 「頑張ります」でも通じます。
しかし、「邁進」のような言葉を使うと、単に「頑張る」というだけでなく、込められた思いを伝えることができるでしょう。
こうした「邁進」という言葉には、次のような類語があります。
- 突進
- 驀進
- 尽力
類語①「突進」
目標に向かってまっしぐらに突き進むこと、一気に進むこと。
「障害を乗り越えて」という意味を含んで使われることが多い言葉です。
・ラグビーの試合で、ゴールに突進する。
・志望校に合格すべく、彼は突進して猛勉強している。
・売上達成につながる唯一の道を、彼は突進した。
・ 記録達成に向かって、突進する。
類語②「驀進」
驀(ばく)も「まっしぐらに進む」の意味がありますので、「邁進」という字の構成と似ていますね。
驀の字は部首に「馬」を含んでいることから、馬車馬的に進むという意味で使われます。
- プロジェクトリーダーに選ばれたからには、仕事に驀進致します。
- そのチームは、優勝目指して驀進していた。
- 研究者は、その謎の解明に向かって驀進している。
- 信者たちは、理想境に向って驀進した。
類語③「尽力」
自らの意思を表明するよりもむしろ、
相手の協力を意味する場合に使われる傾向があります。
- この度はご尽力いただき誠にありがとうございます。
- 夏祭りが盛況のまま無事閉幕致しました。皆様のご尽力に心から感謝を申し上げます。
- 父母の希望に添いながら、自分の目標に向かって尽力する。
- 今後はこうした不手際がないよう、お客様へのサービスの改善に尽力致します。
邁進の英語表現
あるいはpush forward(~に向かって突き進む)が挙げられます。
また go full speed aheadを使うと、「邁進していくのみ!」
というニュアンスに近くなります。
例文①:邁進の英単語
Please work towards to your mission.(業務に邁進してください。)
例文②:邁進の英単語
They promised to push on forward the next victory. (彼らは次の勝利に向けて邁進することを約束した。)
例文③:邁進の英単語
I am going full speed ahead to achieve my goal.(目標達成に向けて邁進していきます。)
まとめ
「邁進」は、 「元気よく、ひたすら目的に向かって進むこと」という意味で使われる言葉です。
こうした状態を表す類義語には「驀進」「突進」「尽力」などがあります。
邁進という言葉は、仕事でいえばスキルや経験がある程度身に付いてないと出てこない言葉とも言われます。
従って、自分に自信を持たせるという意味でも邁進という言葉が使えるようになるといいですね。
自分が邁進という言葉を使って他の人の士気を高めることもできるので、ここぞという大切な場で使ってみましょう。