転職体験記

元キーエンスのトップ営業マンに聞く!FA業界の転職や年収の実態

FA業界への転職事情や年収事情、働き方など、FA業界の実態に迫るべく、実際にFA業界に転職した人のリアルな声をお届けします。

今回は、新卒でキーエンスに入社し、その後ドイツの外資電機メーカーのシーメンス転職した北城 浩正さん(仮名)にインタビューをしてみました。

キーエンスでトップクラスの営業成績を残していた北城さんが、なぜシーメンスに転職したのか、FA業界はどんな業界なのか、詳しく聞いてみました。

FA業界に興味がある方は、ぜひ最後までご覧下さい。

FA業界への転職成功者インタビュー

今までの経歴

キーエンスの営業からキャリアがスタート

— 今でのご経歴を教えて下さい。

都内の大学を卒業し、新卒にてキーエンスに入社し、営業職として関東の営業所に配属されました。FA関連部品や制御機器を取り扱い、担当エリアの既存顧客との関係維持、新規顧客の開拓、新商品開発のニーズ集めなどを担当していました。

実績としては、半期ごとに出される営業マンランキングでベスト30位に毎回入賞し、安定した営業成果を上げていました。

数年後にグループリーダーとなり、3名前後の若手社員の営業指導、チームとしての数字管理などを行っていました。

入社から10年後の32歳の時に、現在のシーメンスに転職しました。

— 新卒でキーエンスを選んだ理由は何ですか?

単刀直入に、お金が欲しかったからです。もともと就職はお金のいいところにしたい、と考えていました。

給料の良い業界というと、金融業界や総合商社などが給与ランキング上位を占めています。しかし自分は緻密な性格ではないので、金融業界などに行っても絶対に向いていないと思っていて、その時点で金融は志望業界から消しました。そして商社は自分たちの中に技術や製品を持っていない事実が気になり、あまり興味が湧きませんでした。

その時、キーエンスというあまり聞いたことのない会社がすごい給料を出していることを就職ダイレクトメールで知り、応募したのがきっかけです。

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転職した背景

高年収も「定年まで働き詰めでいいのか?」と思い転職を決意

— では、キーエンスから転職しようとしたきっかけを教えて下さい。

20代後半までキーエンスでの業務に没頭し、あまりこの先のキャリアを考えることなく真っすぐに駆け抜けてきました。

そんな中、結婚をして、子供が生まれる時期になりました。

ご存知かどうかわかりませんが、キーエンスの勤務時間は今でこそかなり緩和されていますが、私が在籍していたころは13時間労働が毎日でした。

お給料は予想通りとても高額な手取りをもらっていましたが、平日は仕事でクタクタになって終わってしまう日が100%でした。

自分の人生はこのまま駆け抜けてて定年まで働いていていいのか?という疑問に駆られるようになり、少しずつ転職について考えるようになりました。

— そんな中、なぜドイツの大手重電メーカーのシーメンスを選んだのでしょうか?

大きく理由は2つあります。

1つは、キーエンス時代から常々、シーメンスは業界での世界No.1企業としてよく名前を聞いていたため、キャリアアップになるのではと思ったからです。

また、シーメンスはドイツ系の外資系企業なのですが、アメリカ系外資企業に比べてドイツ系はマイルドで、日本人が働きやすい環境があると聞いていたからです。

2つ目に、ぼんやりとした外資系企業への憧れがあったからです。英語を全くビジネスで使用することがなかったキーエンスの営業職から、外資系企業への転職はいくらかハードルになると思っていましたが、年をとればとるほど英語力なしで外資系企業への転職をすることは難しいと思い、若いうちの転職を決意しました。

具体的な転職方法

シーメンスとの繋がりがあったパソナキャリアを活用

— いざ転職活動を始める時、具体的にどのようなアクションをしたのでしょうか?

まずは自分で情報収集をしました。転職エージェントの転職サイトの記事を読んで、転職活動開始前の準備事項を確認しましたね。

その上で、1番重要である履歴書と職務経歴書の作成を行いました。外資系の場合、英文のCareer Sheetも必要となりますので、苦労しながら作成をしました。

次に、エン転職コンサルタントの担当者から様々な転職エージェントを紹介頂き、その中でシーメンスとの繋がりがあったパソナキャリアに会いに行きました。

後は面接日程や書類合否など全てパソナキャリアの担当者が段取りをしてくれたので、自分としては面接に集中することができました。

— 実際に行った選考対策を教えて下さい。

職務経歴書は、英語の上級スピーカーが周囲にいなかったため、初回の作成では単語が出てこなかったり、レイアウトが自分の考えている形式で良いのかなど、分からないことだらけで大変でした。

まずは、自分で事前に作成した職務経歴書をとりあえずパソナキャリアの担当者に渡して、添削してもらいながら改善をしていきました。

面接に関しては、それまでキーエンスでしっかりと実績を積み上げてきたことを言えばいいだけだったので、さほど困りませんでしたが、自分の話し方が自信に満ちているかどうかについては鏡の前でチェックしていました。

落ち着いた雰囲気で自信をもって答えられるような所作が、営業には求められると思ったからです。

「在職中の転職活動はかなり大変」

— 面接ではどのようなことを聞かれましたか?

新卒での採用面接よりは単刀直入な質問が多かった印象が強いです。即戦力を求められているので当然ですが、一気に気が引き締まりましたね。

質問内容としては、比較的オーソドックスな質問しかありませんでしたが、「営業職としてどんな実績を持っていて、これからどう貢献してくれそうか」をシンプルに見極められていたと思います。

具体的に聞かれた内容は、「経歴・自己紹介と志望動機を3分程度で話してください」「前職での定量的実績、得意なジャンルの営業製品、役職の役割について教えてください」「初めての外資系企業で管理職のポジションを捨てて、スタッフレベルから始める事についての抵抗感について」「5年後、10年後の自分についてどういうキャリアを描いているか?」「希望年収はどれぐらいか」などがあったと思います。

— 転職活動中の苦労や悩みを教えて下さい。

まず、在職中の転職活動が時間的にも体力的にも大変でした。

キーエンスでの出社は朝早く、夜遅くまで働き詰めでサボらないよう管理されている中で、日中はほとんど転職活動関連のコンタクトが出来ませんでした。平日でも22時以降しか返事ができないため、やりとりの進みが遅かったです。

後は、英文の職務経歴書作成など、初めて準備する書類が多かったことですね。英語自体を使ったことがなかったので、今なら分かる事さえ全く分からず、すべての物事で予想以上に時間がかかりました。

現在の仕事内容

技術的も金額的にも高度な営業が必要

— では、現在の仕事内容を詳しく教えて下さい。

引き続き、営業をしています。

キーエンスと同様に直販営業も行いますが、シーメンスには認定代理店がいますので、代理店営業方式も新たに必要となり、代理店マネジメントなども営業として行うようになりました。

対象のお客様はキーエンス時代のFA専門のお客様だけではなく、石油プラントや電力発電プラントを建設する大手EPC企業などプロセスオートメーションのお客様も加わり、提案する案件が技術的にも金額的にも大きく、ハイレベルなものになりました。

— 現職はキーエンスと同じFAの営業ですが、営業内容の違いはあるのでしょうか?

先ほども触れましたが、直販営業専門から代理店やパートナーとの連携営業への変化があります。そして、海外法人との連携や海外技術者とのコミュニケーションが生まれたことが大きな違いですかね。

キーエンス時代には自分の力と活動量だけが成果へ直結するスタイルでした。そのため自分が頑張ればそれなりの結果はついてきていました。

しかし、シーメンスでは、自分が頑張っても手が回りきらない、どうやっても影響力が及ばない規模のビジネスで、海外法人との連携が必要となってきます。

また、製品について分からない時は海外の技術者にサポートをもらうことになりますので、海外の技術者とよく打ち合わせをしています。

FA業界はエリート不在の「美味しい業界」

— FA業界に転職して最も良かった点は何ですか?

キーエンス時代には感じませんでしたが、FA業界は他の業界に比べてまだまだ日本的、昭和的な匂いが色濃く残っています。

働いている人たちものんびりしているというか、昭和のサラリーマン的なジャンルの人が多いです。誤解を恐れず言えば、人材のレベル的にはIT業界やコンサル業界のような飛びぬけて優秀なエリート達がいません。

その点から言うと、自分が100点と思う結果を出したとしても、厳しい業界では65点にしか扱われない。しかし、FA業界だと150点で評価されるという感覚があります。

その点は美味しい業界だなと思います。

— 転職前と入社後のギャップはありますか?

転職前は外資系企業に対して、どこか憧れのような気持ちと不安を持っていました。自分が英語を話せない状態だったからでしょうか。

しかし実際は、FA業界だけかもしれませんが、外資系企業の社員として英語をバリバリに使わなければならないということはなく、驚いたと同時にこのレベルで許されてよかった、とほっとしている気持ちです。

ただ、英語力はもっと向上させないと、満足するポジションに出世することは難しいという事も分かりましたので、日々鍛錬して十分満足なレベルまで英語力を上げないといけません。

「今後は管理職として裁量を増やしたい」

— 今後のキャリアについて考えていることがあれば教えて下さい。

業界経験を1社目でキーエンスから始められたことは非常に有益であったと思っています。直販の営業職としてほぼ必要なことは身に着けられ、業界知識や人脈も豊富になりました。このメリットを捨てることは考えられないので、今後もFA業界で活躍していきたいと思っています。

現職か、その他の企業でなのかは分かりませんが、現在の中間管理職一歩手前の状況よりステップアップをして、営業マネージャーやジェネラルマネージャーとして裁量を増やし、さらに刺激的な仕事をしていくことが出来ればと思っています。

FA業界の年収事情

キーエンス時代は年収1000万円も、現在は800万円

—では、年収について聞いていきますね。キーエンスでの年収はどれくらいだったのでしょうか?

キーエンスでは、私が在籍していた当時の20代で、年収1000万は超えていました。最近は日本中でキーエンスの給料が高いことが知れ渡ってしまいましたが、その通り社員への金払いはとても良かったです。

「キーエンスって歩合制なの?」とよく聞かれますがそうではありません。あくまでも毎月の月給が固定されており、プラスアルファで毎月、会社の業績(営業利益)にある比率をかけて社員に支給されていました。額にして10万前後でした。

社内等級が上に行けばいく程、基本給とその比率が上がり年収が増えていく仕組みです。

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— シーメンスでの、現在の年収を教えて下さい。

現在の年収は800万円ほどです。FA業界の中では、少しだけ良いほうかもしれません。月給固定、年二回のボーナス、残業代で800万円ですね。

ただし、キーエンス時代の年収を考慮して提示されている金額なので、他のキャリアから転職してきた人よりは少し優遇されているのかもしれません。

この年収には満足はしています。キーエンスの時と仕事の密度が違うので、身体がとても楽ですし、その割にはまずまずの年収だと思います。

オフの時間も増えたので、自分の望む姿に近いと思っています。

やる気があれば結果はついてくる

— 評価制度や、大まかな役職別の年収を教えて下さい。

評価制度は極めて日本的な方式ですね。

年間の目標に対しての営業成績の結果による評価はボーナスとリンクしています。年収額の決定は「人事考課」でいう年間評定ランクを毎年上層部が決めていきます。

この人事考課の評定によって、社内のグレードが上がっていきベースの給料が決まっていきます。

20代では年収500万から600万、30代で年収600万から700万、40代で年収800万、マネージャーになると1000万を越えるぐらいだと思います。

— では、FA業界ではどのような人が結果を出せるのでしょうか?

シーメンスに関して言えば、さほど突出した能力がなくても結果は出せます。

なぜなら、FA業界内で世界トップの企業であり、商品も大きなシェアを持っているからです。商品認知度は世界でも高く、エンドユーザーから「シーメンスのこの製品を組み込んで納品してほしい」というユーザー指定ビジネスがかなりあります。

なので、当たり前の対応をしているだけで、数字は自然とついていきます。

さらにその上を行きたい人は、自身による営業努力が必要になります。やる気があって、英語が話せる人は総合的に出世していきますね。

FA業界の働き方

取引相手は部長レベルの重役

— 現在の仕事のやりがいを教えて下さい。

キーエンス時代のように、部品レベルで営業活動をしていた時と異なり、シーメンスの製品は「システム販売」になることが多く、取り扱い金額も10倍以上の案件を取り扱うことになります。

また、取引を行う先がキーエンス時代は大きなユーザーの主任や係長、小さい機械メーカーの設計者レベルの人が中心でしたが、シーメンスのビジネスになると会社の経営上の設備投資レベルの話になるので、部長レベルの要職の方と当たり前にコンタクトをすることになります。

若いうちからそのクラスの方と話せる機会は貴重ですし、人脈を作ることが出来ます。 まだやりがい、というほどではありませんが、将来に活きる下積みであると感謝しています。

— では、どのような場面で成長を感じますか?

新卒として、同じFA業界ながら部品売りメインで営業をしていました。また英語を使う仕事に全く携わらず日々国内営業に追われていました。

今改めて思い返すと、営業パーソンとしてのスキルや経験は同業他社の営業パーソンよりスパルタで鍛えられていたと思っています。

しかし、シーメンスに移り新たにビジネス英語を読み書き、聞く話すの全ての場面で活用できるようになったのは、外資系に来て早くからある程度裁量を持たせてもらいプロジェクトの最前線で経験を積んだことが大きくプラスに作用していると思います。

「英語をあまり使っていなかった日本人」と思っていたはずだがバカにしたりせず、一生懸命ブロークンイングリッシュを聞こうとしてくれました。シーメンスの多様性受け入れ体制のおかげで英語が上達するスピードは加速したと思います。

営業マンに優しいFA業界

— 次に、働き方や残業の多さについて教えて下さい。

外資系企業なので、基本的には残業は推奨されません。それでも残業代は支給されますし、業務によっては夕方から海外とコンタクトをする必要なども出てくるため、残業している部署もあります。

ただ、それほど長時間残業をしている人は少なく、月平均で20〜30時間程度ではないでしょうか。

有給休暇もほぼ100%取得していると思います。赴任してきているドイツ人などはクリスマスはほとんど休暇でいません。日本人社員も快適なワークライフバランスで働けている会社です。

キーエンスとは大違いですね。職場環境は良好だと思います。

— FA業界というとキーエンスを中心にノルマが厳しいイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?

キーエンスは突出して厳しいですが、他の同業他社はそれほど厳しくありません。

先ほども言いましたが、FA業界はお客様を含めてまだまだ「昭和のサラリーマン」中心で運営されています。ロジカルに営業活動の質と量を突き詰めて営業活動を管理しているのはキーエンスだけです。

それを真似しようとする同業他社はたくさんいますが、それを継続して行える会社はFA業界に限らず、なかなか見当たらないと思います。

FA業界を志している方は、油断はしないほうが良いとは思いますが、比較的営業マンに優しい業界だと思います。

最後に

ワークライフバランスや安定性は高い

— では最後に、FA業界へ転職や就職を考えている人にメッセージをお願いします。

FA業界はニッチ産業としての扱いを受けるように、あまり世の中のストラテジストなどから注目されずに来た業界です。

一言で言えば地味です。自分が丸の内やニューヨークでバリバリと仕事をしている姿を目指しているのならば、この業界は少し違うと思います。

工場の作業員さん、設計担当さんなどと「昭和の営業」を行いながら下積みをしていく業界です。給与水準もキーエンス以外はそれほどでもないです。

しかし、ワークライフバランスや業界の安定性からみると人生の選択肢としては悪くないと私は思っています。

実際に働いている人を探して、各業界の話を聞いて比較してみると良いと思います。それぞれの人が自分の業界モノサシ基準で評価をしますが、並べてみると業界ごとの差が結構あると思っています。

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