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キャリアアドバイザーが語るSIer・システム開発業界の転職事情

SIer業界担当のキャリアアドバイザーに、SIer業界の状況や、転職事情に関して話を伺いました。

この記事を書いた人

ITベンダー、SIer、コンサル、証券領域の元キャリアアドバイザー。現在はITベンダーへの転職を果たし、エンタープライズ領域の営業を担当。
キャリアアドバイザー時代は、SCSK、日本ユニシス、ユニアデックス、NTTコムウェア、NTT西日本、NTTデータなどを担当

SIerについて

まず、簡単にSIer業界について簡単に分類をご紹介します。

SIerの分類

メーカー系

ハードウェア開発、ソフトウェア開発、システム開発などの幅広い案件(サービス)を提供する企業です。強みとしては、プライム案件(元請け)を多く扱っており上流の工程をメインに担当することができることです。

ユーザー系

企業の情報システムが独立した企業で、各業界に特化した案件を主に扱うことができます。主な案件は親会社の案件になりますが、強みとして親会社の案件で蓄積したノウハウを持っており、親会社と同じ業界の案件を受ける際は、メーカー系SIerと同じくプライム案件をメインに担当することが多くなります。

独立系

親会社を持たずに独立して生まれたSIer企業です。独立系SIの特徴としては、関連会社の製品に捉われることがないため、ベンダーフリーにてクライアントに製品を提供することができる点で、提案の幅・自由度が高いことがメリットです。

外資系

グローバルマーケットで大きなシェアを持つ企業です。各製品にライセンスを設けている場合が多く、ほかのSIerに比べてライセンス費用などが発生する場合が多いことが特徴です。海外で幅広い案件に携わってきたノウハウがあり、パートナー企業を多く抱えているため、大規模案件似強みを持っています。そのため、主に案件の上流工程を担当することが多く、その他の案件はパートナー企業に再受託する形で対応します。

SIer業界の仕事・キャリア

キャリア事例

初めは運用保守のエンジニアから

SIerのエンジニアのキャリアは、主に運用保守のエンジニアとして始まる場合が多いです(18~26歳くらい)。異業種からの転職の場合は、多くの企業が第二新卒枠として採用され、ここからスタートすることになります。入社後約2~3年ほどでリーダー、サブリーダー職への昇格、もしくは開発の案件を任せてもらえることになります(ただ、場合によっては運用保守の案件を在籍期間ずっと担当させられることもあります)。開発案件を数件担当(約2~3年)した場合、転職市場でもエンジニアとして評価されることができるので、他SIへの転職も比較的にし易くなります。まずは開発プロジェクトの参加を目指すことになります。

プロジェクトマネージャーになりたいなら

プロジェクトマネージャーは主に要件定義などの上流工程を扱う企業(一次請け企業)からアサインされます。そのため、比較的大規模なプライム案件を多く扱っている企業もしくはコンサルティングファームに転職することが、プロジェクトマネージャーへの近道でしょう。

SIerからの転職先

SIerで開発エンジニアとして案件を担当した方の主な転職先は主に3つです。

  • より大きな開発案件を担当できる企業
  • 要件定義や設計などの開発よりも上流の工程ができる企業
  • ITコンサルティングを行う企業

自身の希望に沿って、転職先を選ぶ必要があります。

SIerからコンサルティングファームへの転職事情

2020年7月現在、SIerからコンサルティングファームへの転職は以前に比べて少し難しくなっています。理由としては、大手コンサルティングファームにを中心に、最近コンサル未経験採用を多く行ってきたため、結果としてメンバーレベルの社員が増加し、マネージャーが不足してしまっているためです。現在、コンサルティングファームが採用を行っているターゲットはコンサルティングの経験者もしくはSIでのPM(プロジェクトマネージャー)などの経験者が中心になっています。

異業種からSIerへの転職

営業

異業種からSIerに営業で転職したい場合は、法人営業の経験がある方であれば、業界未経験でも転職することができます。ただ、大手SIerの営業職として大規模な案件に関わりたい場合はITの知見やIT業界での業務経験を求められる場合が多いので、まずは中規模、小規模のSIerもしくは他のIT企業に転職を行うことをお勧めします。また、SIerの営業のなかでSES(エンジニアの派遣営業)を行っている会社もありますが、SIerの営業としてキャリアを歩みたい場合はSESではなく、システム開発の会社に入るほうが、キャリアの幅や転職市場での評価は高いでしょう。

異業種からの転職の場合、前職の業界と親和性の高い案件にアサインされる場合があります。最近は「〇〇×IT」といった他業界DXがトレンドになっており、「finance×IT=FinTech(金融×IT)」、「agriculture×IT=AgriTech(農業×IT)」といったように多くの業界でIT技術が使われております。

そのため、現在の仕事内容に親和性のあるIT営業を見つけて応募することも一つの方法です。ポジションに関しては、マネジメント経験や年齢によって分かれてきますが異業種からの転職の場合はほとんどメンバークラス(一般社員)での採用になります。

エンジニア

異業種からSIerのエンジニアをめざす場合は、実際には年齢を気にする会社が多く、第二新卒枠(20代前半)までが大多数を占めているのが現状です。中には、自社でエンジニアの育成を行って案件にアサインする会社もあり、エンジニア未経験でもチャンスはあります。ただもし、年齢が第二新卒枠以上でエンジニアを目指したい場合は、テックアカデミーなどに通うか独学にて何かしらの開発言語を習得したほうがSIerへの転職はしやすくなるかと思います。

いずれも異業種からの転職の場合は、未経験ということもあり年収が前職よりも下がることは覚悟する必要があります。IT業界は今後の伸びが期待されている業界ですので、先行投資と考えて転職をするか否かを検討しましょう。

転職は、書ける言語でアサインされる案件が決まります。例えば、未経験でも学生の頃にJavaやC言語での開発経験が十分にある場合、異業種からの転職でもすぐに開発案件に携われることもあります。ただ、多くの場合は転職後はまず研修を受け、開発言語の学習を行ったうえで運用保守やテストなどの案件にアサインされます。また、大きな案件であれば先輩社員のいる案件にアサインされますが、小規模の案件であれば、最初から一人常駐という形で客先に常駐するケースもあります。

実際の例

転職前 自動車機器メーカー、中小SI(カーナビ、エンジン制御システムなど)
転職後 自動車関連に強いISID、SCSKなど
転職前 エンジニア未経験
転職後 株式会社VSN
VSNは未経験エンジニアの採用多
転職前 不動産会社で営業
転職後 不動産向けシステムの販売

SIer内での転職

基本的に下流から上流工程へキャリアアップを行うことが多い印象です。最近では外資系のSIerが大規模な採用を行っていることもあり、年収アップを見込んで日系のSierから外資系SIerへの転職ねらう人も多くいます。また、キャリアステップでも触れましたが、SEの方であればプロジェクトマネージャーを目指す方やITアーキテクトを目指す方などが多く見られます。昨今、エンジニア不足が目立つ世の中になって来ており、転職の際は年収アップを目標にするのか、専門的な技術力を身に着けるのか方向性を決めて転職活動を行うことをお勧めいたします。

最近の傾向として、ユーザー系Sierの人気が非常に高まってきております。理由としては案件に関して元請けで入ることができ、上流工程に携わることができること、親会社が国内でも大企業が多いため福利厚生などの魅力があり、仕事面と条件面のバランスに優れるためです。ただ、いずれの転職も何かしらに特化した技術や資格が必要とされていることもあるため、転職の知見を持っている転職エージェントへの相談はもちろんのこと、自分自身でも資格の取得などを行うことをお勧めいたします。

マネージャークラスの転職の場合は、上司とともにメンバークラスの社員が一緒に転職することも見受けられます。また裏話的な話になりますが、大手SIerであれば名指しで○○会社の○○部署の人間がほしいと要望があることも事実です。SIerは大きな転職市場の要に見えて、案件を整理していくと実は狭い市場ということもあり、ひきぬきや紹介経由での動きも活発です。

実際の例

転職前 26歳
中小規模のSierにて開発を担当
転職後 大手ユーザー系Sier
年収 400万円⇒500万円
経緯 転職の理由は、客先常駐で開発を行っていたため評価制度への疑問やリーダー以上はプライム企業のものでありもどかしさを感じていらっしゃいました。主に金融系のシステム開発を行っていたため、銀行系のユーザー系Sierへの転職を成功されました。
転職前 38歳
ユーザー系Sier(銀行系)PMクラス
転職後 コンサルティングファーム(ITコンサルタント)
年収 700万円⇒900万円
経緯 主に、基幹システムを担当している方でした。転職理由は年収UPとユーザー系Sierで限られた案件に携わることが多く、幅広い技術と案件に関わりたいと思い転職。転職先では金融機関向けのコンサルティングを行うマネージャーとして活躍されています。
転職前 45歳
日系Nierの営業職(マネージャー)
転職後 日系Sierの営業職(マネージャー)
年収 750万⇒800万円
経緯 もともといらっしゃった会社が、限られたベンダーしか扱っておらずお客様への提案の幅の狭さにもどかしさを感じていらっしゃいました。また、年齢的にも最後の転職として転職活動を行われていました。結果的にベンダーフリーの会社に転職をすることができ、年収も上げることに成功されました。

SIer企業の業界の面接・選考

採用傾向・相性

SIerは顧客のニーズにあった要件定義を確実に行ない、正しい実装を行うビジネスです。そのため、案件のサイズの違いはあっても基本的に真面目にきっちり仕事をこなす性格の方が長い目線では向いています。

きっちりした受け答えができ、企業を選り好み知りしなければ、高望みをしなければけして転職難易度は高くありませんが、キャリア形成をしっかり行っていく必要があります。

選考ステップ事例

第二新卒(20代前半)の方は基本的にSPIの受講があります。(言語、非言語、適性検査)
業界経験者などになると性格診断のテストが行われることが多くあります。また、外資系の転職に関してはリファレンスチェックが行われることもしばしば。

資格やスキルなど

日系の企業であれば、グローバルの案件や海外常駐の案件でない限り、TOICEの点数などは大手企業であっても大きく選考に影響することはない。※あるに越したことはありませんが。取ったほうがいい資格については、ITの基礎を習得していることを証明する「ITパスポート」などがあればよいかと思う。基本情報技術者、応用情報技術者などの資格に関してはエンジニアであれば取得したほうがよいと思う。そのほか、外資SIの資格であるoracleやIBMの資格などもエンジニアが評価される指標である。

面接での想定質問

一般 ・いままでの経歴を含め自己紹介を行ってください。(2~5分程度)
・経歴についての質問を何点かいただくことがある。
・自身の長所と短所を教えてください。
・自身の短所が影響した事例とどのように解決したか。
・志望理由を教えてください。
・入社したらどのような仕事を行いたいですか。
・他に受けている会社と志望順位を教えてください。
営業 ・いままでの営業成績を教えてください。
・あなたが営業を行う上で大切にしていることは何ですか。
・営業成績が未達に終わりそうな場合はどのように行動しますか。
営業職の質問は主に、今までの営業成績や成績を維持するためにどのような行動を取ってきたのか聞かれる場合が多くあります。中でも一番見られている点は「再現性がある営業かどうか」になります。そのほか、クライアントとどのようにコミュニケーションを取っていたのか。期限を守ることを行っていたか。などといったことが評価ポイントになります。
エンジニア ・いままで携わってきた案件を教えてください。
・どのようなシステム、言語の知見がありますか。